FXと投資の違いとは?家計再生に向いているのは投資?FXのリスクやNGな理由6選を解説!

FXと投資の違いとは?家計再生に向いているのは投資?FXのリスクやNGな理由6選を解説!
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ファイナンシャルプランナー
ぴろ君

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【経歴】
AFP/日本FP協会認定のファイナンシャルプランナーとして活動中。
2022年から経営・経済を学ぶために大学へ進学。(在学中)

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こんにちは。ぴろ君です。

今回のテーマは「FXと投資」です。

投資初心者にとって、FXは魅力的な投資方法であり、高いリターンを得られる可能性があります。お金がない時ほど、FXにギャンブル性を求め、せっかくできた資産を飛ばす方がいらっしゃいます。また、「一攫千金」が狙える。「楽して稼げる」と考え、大損する方もいらっしゃいます。

FXは高いリスクを伴うものであり、投資初心者にとっては予期せぬ損失を被る可能性があるという点にも注意しなければなりません。

一般的な投資ではリスクとリターンのトレードオフであり、高いリターンを得るためには、それに見合ったリスクを取ります。FX取引もその例外ではありませんが、FXの場合は特に短期的な動きに影響されずに冷静に判断することが必要であり、投資初心者にとっては、それが難しいこともあります。

そのため、この記事では、投資初心者にとってFX取引がリスクが高い理由について、具体的に説明します。
※投資を行う際は、リスクを十分に考慮のうえ、自己責任の基、適切かつ安全な投資を心がけましょう。
※投資に100%はありません。「絶対儲かる」「今やらないと損」といった謳い文句は詐欺の常套句です。

この記事のポイント
☑金融リテラシーを養える!!
☑資産形成に役立つ!!
☑無駄なリスクを背負わない!!
☑FXについて学べる!!

FXと投資の違い

FXと投資の違い

はじめに、投資とFXの違いをご説明します。

主な違いは、取引の対象となる資産の種類にあります。一般的に投資と言われるものは、株式や債券、投資信託などの金融商品を購入することを指します。これらの資産は、企業や国が発行するものであり、市場価格が変動することで価値が変わるため、購入時の価格よりも高く売却することで利益を得ることができます。

一方、FXは「外国為替証拠金取引」と呼ばれ、外国通貨同士の交換レートの変動を予測し、その差額で利益を得ることを目的としています。つまり、投資とは異なり、FX取引では企業や国が発行するものではなく、外国通貨の価格変動の差分によって得ることができる利益であり、その価格変動は投資とは異なる要因によって左右されます。

このように、投資とFXでは取引対象が異なるため、リスクやリターンも異なります。また、FX取引は、一般的な投資と比較して短期的な利益を狙うための取引が多く、短期的な価格変動による影響を受けやすいという側面があります。

以上のことから、投資初心者にとってFXは投資以上にリスクが高く「FXがNGな理由」として挙げられます。

FXにおけるリスク

FXにおけるリスク

FXは高い利益を狙える反面、初心者にとってとてもリスクが高いものです。下記は金融先物取引業協会が発表した、4半期ごとの口座数と実際に取引をしている口座数の推移です。

期間(年度)顧客口座数取引実績口座数割合
2022年/10月~12月10,539,549841,4757.98%
2022年/7月~9月10,425,288831,7257.98%
2022年/4月~6月10,288,474841,5168.18%
2021年/1月~3月10,114,648821,0928.12%
2021年/10月~12月9,832,631811,1648.25%
2021年/7月~9月9,684,426767,7377.93%
2021年/4月~6月9,470,605781,2918.25%
引用元:金融先物取引業協会

ご覧いただくと分かるように、1年以内に稼働している割合はたった8%前後で、1年以内に92%もの人が退場していることが分かります。

その理由を知るには次の「FXがNGな理由6選(リスク)」を知らなければなりません。

  • レバレッジ効果
  • 為替相場の急激な変動
  • 専門的な知識や経験
  • 睡眠不足やストレス
  • プロのトレーダーも参加
  • リスクマネジメント

レバレッジ効果

レバレッジ効果

FXは少ない証拠金で高額の取引を行うことができるレバレッジがあります。レバレッジをかけた取引は利益が高くなる反面、損失も大きくなるため、初心者にはリスクが高いとされます。 具体的な例や事例を交えて説明します。

レバレッジとは?
例えば、1ドル=100円のとき、1万ドルを取引する場合、100万円の証拠金が必要となります。しかし、レバレッジ取引を利用することで、もっと少額の証拠金で大きな取引が可能になります。

例えば、証拠金を5万円として、レバレッジ倍率が100倍とした場合
証拠金5万円に対し、500万円分の取引を行うことができます。
この場合、1ドル=100円の為替レートであれば、500万円÷100円=50,000ドルの取引が可能です。

例えば、1ドル=100円から1ドル=99円に相場が下落した場合、上記の取引においては、1ドル当たりの損失額が1円になります。50,000ドルの取引額に対して、1円×50,000ドル=50,000円の損失となります。つまり、証拠金5万円が全額損失となります。

レバレッジとは、自己資金を担保として、その何倍もの取引を行える仕組みのこと。レバレッジ効果の問題点は、損失のリスクが高くなることです。

実際には、取引での利益が期待できる一方で、レバレッジ効果により損失が大きくなる可能性があるため、初心者にはリスクが高いとされます。特に「最初は少額で練習程度で始めたものが、気付けば高額入金を続けていた」なんていうのはよくある話です。

また、海外の口座を使うと最大で1000倍のレバレッジが掛けられる業者XMtrading)などありますが、FX初心者のうちは低レバレッジの取引が良いでしょう。また、取引を行う際には、リスク管理をしっかりと行い、損失が発生しても問題ない金額でなければなりません。

しかしながら、家計再生を望まれるのであれば、90%以上の方が退場する投資はリスクが高いため、手を出さないようにしなければなりません。

相場の急激な変動

相場の急激な変動

FXでは、要人発言や世界情勢、景気動向など。様々な要因によって為替相場の急激な変動が頻繁に起こります。特に次に挙げた代表的な経済指標発表時では、通貨価格が瞬時に大幅に変動し、予想外の大損失を招くことがあります。

代表的な経済指標発表
・FOMC(政策金利)
・消費者物価指数(CPI)
・国内総生産(GDP)
・雇用統計

他にも、2015年1月15日には、スイスフランが急騰し、円とのレートが一時的に30%以上も上昇しました。これは、スイス中央銀行が、相場の急変を受けてスイスフランのレートを変更したことが原因でした。この出来事は、「スイスショック」として知られ、多くのFXトレーダーが大きな損失を被ったことで有名です。

また、過去には、イギリスのEU離脱に伴う相場の急変など、さまざまな事象が相場に影響を与え、FXトレーダーに深刻な損失をもたらしたことがあります。

このように、相場の急激な変動は、予想外のリスクをはらんでいます。初心者のうちはこうしたリスクを知らずに参加し、その日のうちに退場を余儀なくされます。

専門的な知識や経験

専門的な知識や経験

FXは専門的な知識や経験が必要です。 何も勉強を行わずに取引を行うと、予想外のリスクにさらされます。また、相場の動向を読み取るために必要な分析テクニカル分析、またそれに関連する経済指標や政治情勢についての情報などが必要です。

先ほどの例に挙げた、2015年にスイス中央銀行が急にスイスフランのレートを変更したことで、多くの投資家が大きな損失を被ったこともそうです。これは、予想外の動きによって多くの投資家が被害を受けた事例の一つです。

他にもAIやロボットトレードの利用による不正取引が問題視されたことがあります。これらの事例から、専門的な知識や経験がない場合には、予想外のリスクによって食いものにされ、気づけば家計再生とは程遠い状態になっている可能性もあります。

睡眠不足やストレス

睡眠不足やストレス

FX市場は基本24時間稼働しています。そのため、ポジションを持ったら常に相場の動きが気になり、睡眠不足やストレスの原因になることがあります。

日本時間外に相場が変動する時間帯で一番はアメリカの時間帯(深夜~早朝)です。相場がもっとも変動する時間帯のため、チャートに張り付き、十分な睡眠時間を確保することが困難になることがあります。

また、トレードの結果によっては、精神的な負荷がかかることもあります。例えるなら大きな損失を被った場合です。1万や2万程度の損失であれば日常で取り戻すことができる金額ですが、100万、200万円の損失だったらどうでしょう?

ストレスや不安で眠れなくなったり、食事が喉を通らない。イライラが収まらない。こうした精神状態になるのは想像に難くないでしょう。こうした睡眠不足やストレスが多くのトレーダーの障害となり、また、相場から退場させる要因となっていることをお分かりいただけたのではないでしょうか。

プロのトレーダーとの競争

プロのトレーダーとの競争

FXは、プロトレーダーも参加している市場になります。

例えば、2019年には、英ポンドの価値が急落するなか、米ドル相場で500億円以上の利益を上げた投資家がいました。この投資家は、相場の急変に迅速に反応し、そのタイミングで大きなポジションを取ることで利益を上げたとされています。プロのトレーダーは相場の変動に迅速かつ正確に対応できるため、初心者がトレードに勝つことは難しいとされます。

また、プロのトレーダーは、自己資金が多く、取引の規模も大きいため、市場に与える影響力が強いという側面もあります。その他にも大口と呼ばれる何億という資金を一度に市場に投資する方々もいるため、初心者はそうした他者の動向をも気にしながら市場に参加しなければなりません。

こうした側面から、初心者の市場参加は非常に困難であり、同時にリスクも高くなります。

リスクマネジメント

リスクマネジメント

FXで最も重要なことが、リスクマネジメント(リスク管理)です。 単純に高い利益を狙って取引を行うと、思わぬ場面でしっぺ返しを食らってしまうことがあります。

そのため、損失を最小限に抑えるために、リスクマネジメントについて正しく理解し、実践する必要があります。例えば、投資する資金の割合を決めたり、ストップロスする割合を資金の残額から決めたり、損失を想定した上でのポジションの建て方を決めたりなどです。

その中でも、ストップロス注文は効果があります。ストップロス注文とは、あらかじめ指定した価格に達した場合に自動的に決済する注文のことです。この方法を用いることで、想定外の相場の動きによる損失も最小限に抑えることができますし、損切りが中々できない方でも自動的に決済が行われるため、自分で損切を行う必要がなくなり、精神的にも楽になります。

他にも、トレードの目的やスタイルに応じて、リスクマネジメントの方法は様々あります。初心者は、リスクマネジメントについてしっかりと学び、損失の割合や損失を出したとしても、日常生活において支障を及ぼさないようにすることで、より安全にFXで取引を行うことができます。

さいごに

ここまでご説明をしてきましたが、投資する以前の状態であれば、「堅実に貯めること」が一番の近道です。

投資信託の分散投資と違い、FXには様々要因とリスクがあり、これをすべて網羅した上で取引ができるようになるためには、先行投資(勉強代)として、数万~数十万円は必要になります。そのため、多くのトレーダーが1年も経たずに多くの損失を出し、市場から退場を余儀なくされるのです。

最悪の場合、コツコツ貯めた全財産を失ってしまうなんてこともありますし、子供ために貯めたお金に手を出してしまったケースもあります。

こうしたリスクを回避するためにも、一攫千金や楽して稼げると安易に考えたりせず、堅実貯めることや比較的リスクの低い投資(積立NISA等)を行うことをオススメします。

それでも、FXをやってみたいという場合は、デモトレードなどでしっかりと感覚をつかみ、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析など様々な角度からの分析を取り入れ、投資しても問題がない金額(少額)から始めるようにしましょう。

投資は常に自己責任となりますので、例え身近な人からオススメされても、最終的には自己判断となることをよく理解し、ここで説明をしたようなリスクが常に存在すること忘れないようにしてください。